古くは浮世絵のような偉大な祖先につながっているのが、現在までの日本のイラストレーションである。このイラストレーションという呼び名が日本に定着したのは、ほんの最近の事であり、早川良雄、粟津潔、灘本唯人らが土壌をつくり、1960年代に宇野亜喜良、横尾忠則、和田誠らが活躍し、イラストレーションの市民権を獲得することに成功した。そこには既に文章に従属した挿し絵というニュアンスを大幅に超えて、独立した美術表現としてのイラストレーションという分野の確立が打ち出されていた。
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イラストレーションは1960年代に一大ブームを形成した。当時はグラフィックデザイナーを兼任していたイラストレーターが、独立した職業となるのは1970年代以降であり、分業化されて拡大した日本のデザイン業界がその背景にある。高度経済成長などの経済力に支えられたマスメディアの許容する日本のイラストレーション表現の多彩な発展ぶりは、その高度な技術的水準から、1970年代後半からは世界中から注目されるまでになった。